明治維新以降の日本人が造ってきた日本。
図らずも私が島国の日本人を観察して気がつけば半世紀を超えましたが、この国の人間を評価すると、親切・素朴・勤勉・温厚・従順という言葉が最初に思い浮かびます。しかしこうした特性は、ときに権力に対しても無防備に働く怖さがあるように見受けられます。それを権力者たちは上手く利用して「日本人は団結力がある」と思い込ませた上で、国家に対する忠誠と市民同士の監視体制を強めてきた歴史があります。
明治維新以降、西洋的な価値観に中核的日本人が洗脳されて以来、人格のある長が分け隔てなく民を潤すなどといったナイーブで古典的な政治は泡と消えました。今この国にあるのは、人心を掌握し、洗脳し、搾取し、徹底して国家管理の下に不自由を強いる。それだけです。
ヘイトスピーチも権力の意図であるのは云うまでもありません。日本という島国が単一民族であるはずもなく、とくに半島とは密接な関係を背景に歴史を紡いできました。しかしどうしてもその事実を受け容れたくない者たちが存在します。興味深いのは、歴史的に自ら半島の血を引く者ほどその傾向が強いようです。
混血は人類の宿命なのですが、この国を身体障害国にしたい者たちは神をも恐れぬ「一民族、一国家、一言語、一文化」などという説を恥ずかしげもなく吹聴します。地球上にそんな国や民族がいたら見てみたいものです。
戦後GHQは日本人を政治音痴に仕立て上げました。その理由は、アメリカが日本を統治するためです。その為に庶民が政治に関心を抱くのはダサイという社会風潮をマスメディアを利用して創り上げました。現に日本人は口癖として「こんなところで政治の話はやめようよ」とよく言います。そして人が集まる場所での政治的談義は疎まれるようになりました。
戦後アメリカ軍が居座り続けている敗戦国は日本だけです。しかもそのアメリカ軍は日本国憲法よりも強い日米地位協定で日本を完全支配下に置いています。政治家も検察もアメリカに隷属する者たちにしか地位を与えません。岸信介や正力松太郎がCIAのスパイであった時代から今日まで、この日本に真の戦後はまだ訪れてはいないのです。
先にも書きましたが、この国にはある独特の国粋主義者たちが存在します。彼らを見ると国をこよなく愛する日本人の代表のように見えますが、実は半島との密接な関係ありきで、その幕裏では単純ならざる思惑が蠢いているのが分かります。
地政学的に考えて、どの国も隣国とは友好関係を築きたいと考えるものですが、どういうわけかこの日本は違います。中国、朝鮮とは戦後もほぼ敵対関係にありますし、韓国との間にも嫌韓・反日といった状態がずっと続いています。しかしながら、日本にとって中国や朝鮮は歴史的にも民族的にも、切っても切れない深くて永い関係があるのです。
つまり、こうした日本の意思決定には、それを操る陰の別の力が存在しているということです。日本が中国や韓国、北朝鮮と独自の友好関係を持つことが自国の不利益に繫がると考える国、それがアメリカなのです。かつて、アメリカとは一線を画す立場にいた自民党の田中角栄は、アメリカの意に反して中国との国交を独自で樹立した結果、物の見事にロッキードで葬られました。そうした事例は枚挙に暇がないほどです。
対立は生まれるものではなく生み出すものというのが戦争ビジネスの基本です。これからもこの日本がアメリカに隷属し続ける限り、日本に真の平和や隣国との有益な国際関係など、ほぼ夢の又夢ではないでしょうか。こうしたカラクリを日本人もそろそろ現実的に理解し、アメリカに盲目的に従う似非民族主義者から私たちの人権と国家主権を真剣に取り戻すことを考えなければ、これからも私たちは権力者の掌の上でいいように転がされ続けるでしょう。
Abema TVの「よるバズ」で、みのもんたが田中真紀子にインタビューしています。そこでの田中真紀子の発言には、一般庶民がこれからの日本を考えるヒントが散りばめられています。安倍政権の立ち位置も分かりやすい。是非見てもらいたいものです。
https://www.youtube.com/watch?v=RiGuBk7-BYA